帰り道、交差点脇の歩道で杖を持って立っている女性がいました。
よく見ると杖は白状で、信号が青になったにも関わらず、遠くを眺めているような、何か聞いているような姿で静かに立っていました。
どこか深く集中しているようにも見えたので、恥ずかしながら声はかけられず、その代わりほんの些細なことですが、大きめに足音を鳴らして信号を渡りました。
しばらく帰路を歩いているうち、ぼんやりと子供の頃を思い出しました。
たまに通る道にあった信号機は、青になると「通りゃんせ」のメロディが流れていたこと。
時間が経って、いつの間にかメロディが無くなり、代わりに「ピッポー・ピピポー」のような音が鳴る信号機に替わったこと。
そして逆に、なぜ今日の信号機は音が鳴っていなかったのか?が気になりました。
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帰ってパソコンで調べてみると、どうやら音が鳴る信号機は「音響式信号機」と言い、全国に約2万基ほど設置されているそうです。
子供の頃の思い出の通り「メロディ式」と「擬音式」の2種類があり、擬音式の方が音の方向がわかりやすいなどの利点があるとされ、平成15年から擬音式の異種鳴き交わし方式の整備が進められたそう。ただ、メロディ式の方が音が連続しているためわかりやすいなどの意見もあるそうです。(参考:音響式信号機 | 社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合)
しかし、自分の住む東京においては音響式信号機の数は令和四年時点で2,758基ほどであり、都内の信号機数15,922基に対しては17%ほどのカバー率であるため、完全に設備が行き届いているというわけではないようです。
また、音響式信号機そのものも夜間は音が鳴らなかったりボタンを押さなければならなかったりするものもあり、騒音の多いところでは音自体が聞こえづらかったりなど、こうした点でも完全な対策にはなっていない面もあるようです。
勿論こうしたことに対策が全くとられていないということではなく、例えば都内では年間100基ほどを目標に音響式信号機を増やしているそうです。また信号機のボタン自体が音を発したり、スマホのアプリが信号機とBluetoothで連携して通知を送ったりなど、様々な試みが行われてもいます。
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もしかしたらただ静かに集中して考え込んでいるように見えたあの女性も、実際は「待ち続けていた」人だったのかもしれません。
次があるのなら、その時は「信号が青になりましたよ。私が前を歩きますね。」と先導するのが良いのだろうか、あるいは……などとベストな行動とは何なのだろうと考え込んでしまいます。
何かアドバイスなどあれば、ぜひ意見が欲しいです。
それでは、おやすみなさい。
